自分が本当に好きな事

抜毛症で悩んでいると、どうしても「抜いてしまった」「隠さなきゃ」「またやってしまった」と、頭の中が抜毛のことでいっぱいになりがちです。気づけば、日常の大切な時間まで「抜毛中心」の思考にとらわれてしまう方も少なくありません。そんなときこそ意識したいのが、「自分が本当に好きな事」に目を向けることです。
自分の心から好きな事に夢中になると、不思議と心が軽くなります。絵を描くことでも、音楽を聴くことでも、体を動かすことでもいいのです。誰かと比べる必要はなく、「自分がワクワクすること」を大切にしてください。そうすることで、自分だけの小さな世界が広がっていきます。
自分の本当に好きな事で自分の世界がつくられる。
この言葉には、抜毛に振り回される日々から少しずつ抜け出し、「自分の時間」を取り戻すためのヒントが隠れています。抜毛は一瞬で完全になくなるものではありません。けれど、自分が好きなことに夢中になっている時間だけは、抜毛のことを忘れていられる。そうした時間が積み重なることで、「抜毛以外の自分の人生」にも目が向けられるようになっていきます。
親御さんにとっても、この視点はとても大切です。つい「抜かないように」「やめさせなきゃ」と注意や心配に気持ちが偏ってしまうこともあるでしょう。しかし、お子さんが笑顔で好きなことに没頭している姿を見守ることは、本人にとって大きな安心につながります。「抜毛をやめさせる」ことにとらわれすぎず、「好きなことを応援する」姿勢が、お子さんの心の支えになります。
やがて「抜毛にとらわれない思考になる」時間が増えていきます。それは決して「我慢して抜かない」ことだけを意味するのではなく、「自分の世界を自分でつくる」という前向きなプロセスです。小さな興味や楽しみが、自分らしさを形づくり、心を強くしていきます。
もし今、抜毛の悩みで心がいっぱいなら、まずは一度深呼吸して「自分の好きなことは何だったかな」と考えてみてください。その答えを大切にして、小さな一歩を踏み出すことで、抜毛に支配されない新しい日常が少しずつ広がっていくはずです。